次の日学校に行くと沙織の姿が無い。
『まだ来てないのか』
普段ならとっくに来てるはずの沙織なのに、今日は珍しく来ていない。
昨日の話から合せ鏡で何かあったのかと不安がよぎった。
その内朝のホームルームが始まり、先生が今日は沙織は体調が悪く休む事を告げる。
莉子は心の中に何とも言えないモヤモヤしたモノを感じ沙織の声を聞きたくなった。
体調が悪いと言われても、いつものあの沙織の声でこのモヤモヤを吹き飛ばしたかったのだ。
合せ鏡で何かあり体調が悪くなったんじゃなく、風邪などの軽い症状で休んだんだと。
ホームルームが終わり1時限目の授業が始まる前に沙織に電話をしてみる。
『まったくいつも心配ばかりかけるんだから』
だけど沙織は出ない、ただ聞こえてくるのは呼び出し音だけ。
その後も休み時間に沙織に電話をかけてみるがいっこうに出ない・・・
『もう、何やってんのよ』
携帯に文句を言うが受話器から聞こえてくるのは単調な呼び出し音だけで、一向に沙織が電話に出る気配すら無い。
不安で押し潰されそうになり、じっとしていられなくなってきた莉杞は。
『よし!」
そう言うと荷物を持って学校を後にした、所謂早退である。
『何も無ければ良いんだけど・・・』
合せ鏡に必要な儀式ってなんだったんだろう?そんな事を考えながら足早に沙織の家に向かった。